点検・調査事例3 磁粉探傷検査

磁粉探傷検査は磁気を利用した検査方法になります。検査対象になるのは、磁性体つまり磁力に引き寄せられる材質になります。磁粉探傷検査にも種類がありますが、弊社にて採用している極間法を解説いたします。
磁粉探傷検査とは
磁粉探傷検査はMPT(Magnetic Particle Testing)とも呼ばれ、磁気を利用した検査方法になります。
検査対象になるのは、磁性体つまり磁力に引き寄せられる材質(鉄鋼など)になります。この特性を活かし、調査対象物を磁化させることにより目には見えない亀裂やきずを検出させて、目視観察ができるようにします。
磁粉探傷検査にも種類がありますが、弊社にて採用している極間法を解説いたします。
作業前処理
対象となる探傷面に塗料・錆といった異物が付着していると、きず自体を磁化させることの妨げとなる為、予め目的に沿った処理を行います。例えば写真は、検査対象の塗料を除去している作業になります。

作業前処理写真
磁化
調査対象を適正に磁化する為、きずの方向と磁束の方向が直行するように磁化を行います。
磁化の方法においては、JIS(日本工業規格)において各種磁化方法が規定されております。弊社においては極間法を採用しております。

磁化写真
磁粉の吸着
磁化によりきず部分が磁極となり、磁粉と呼ばれる磁石からなる特殊な蛍光塗料を散布することにより、きず部分の磁極に付着します。

磁粉の吸着写真
損傷部分の観察
上記の作業で検出した磁粉模様を紫外線照射灯を用いて、可視化させ観察し易くします。

探傷部分の観察写真
作業後処理
必要に応じて、脱磁(磁化を取り除く)や磁粉の除去、防錆処理や塗料を塗り直すことで劣化を防ぎます。

作業後処理写真